能力開発歴、何だかんだで約14年。この愚かしさは如何ともし難いようです。
更新日:06年5月28日
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デジタル速音聴:高速音声は万能の頭脳開発ツールか?

もっとも興味をそそられ、うかつに手をだせない能力開発ツール。それが速聴をはじめとした倍速音の出力システムだと思います。

聴き取れない高速の音声を理解できるようになれば頭の回転が速くなる、という理屈は明快で説得力があります。かいつまんで説明すれば、左脳の処理能力を超える言語負荷を聴覚を通して与えることで、右脳がその処理のために働きはじめる。結果として両脳が活性化し、未分化な脳の諸機能が開発。今までできなかったことができるようになる、というのが主な内容です。

また、音声の倍速化自体が時間の短縮につながるので、反復を要する学習―語学やノウハウの習得―などに効果的、しかも学習しながら能力開発できるのが特徴です。

最も有名なのはSSIです。詳細を知りたいというのであれば、同社サイトや刊行物を参考にするのが手早いかと思います。

着手が難しいというのはその価格帯で、ちゃんとしたものであれば10万円を軽く超えます。そのため、同システムを必要としている、受験や資格取得のため勉強している人たちにとって縁遠い、そんな現状があるかと思います。


高速音声のロマンチックな効能

昨今の能力開発は、右脳一辺倒ではダメ。むしろいかに両脳の使い分けをして、能率的な作業を実現するかに関心が向かっています。

また、知性も多様化し、IQに代表される数論理的なものだけでなく、想像性や社会性、あまつさえ性的なものにまで分化が進んでいるようです。

そのようななか、発育不全に脳の領野を鍛え直してくれるらしい高速音声の出力システムは、あたかも福音の響きすらあります。自分は未開発であり、脳を鍛えれば理想の自分になれるのではないかと。

さながら魔法ですが、実際はどうなのか。個人的な感想を述べれば、その効果は期待に胸をふくらませている間だけです。私は現在、2.5倍速で馴らさなくても4倍速の音声を聴き取れます。では、人格が変わったかといえば否。能力的に向上したかといえば疑問。肝心の「頭の回転」は速くなったかといえば無自覚です。よく「会話がゆっくり感じられ、今まで以上に聴き取れる」なんて噂されますが、リアルの会話ではそんなことはありません。「ゆっくり」が適用されるのは、あくまで録音された音声だけです。

また、速読の効果があるともいわれますが、部分的に正しいといえるのみです。なぜなら、いくら言語処理が速くなっても、その速度に目が追い付くとは限らないからです。「自然に身に付く」とはいうけれど、速読には速読の目の動かし方がある。それを知らずに読書に臨んで、果して速読といえるのか。

ただ、高速音声による速読には、1つメリットがあるように思われます。読書は言語を媒介にした複雑な知的活動であるのに対して、速読は情報収集に特化するためその活動を単純なものにしている。もし、言葉に立ち止り考えを巡らせたら、それは速読ではないでしょう。想像力を養う機会を逸するし、味読などもってのほか。早読みを可能にし、かつ競走じみた読書から救われる点は素晴しい。

内観可能な具体的効能としては2つ。1つは練習を経て身につけた高速音声に対する認識能力は、長期のブランクがあっても失われません。仕事が忙しく高速音声の聴き取りを1年以上しなかった時期がありましたが、再び始めたとき、特に聴き取り困難ということはありませんでした。2つ目は聴き取りから5〜10分くらい経過すると、意識を保った状態でまどろみのように心地好くなることが高頻度に起こります。言語処理に右脳を巻き込んでいるのかも、と思えるのはこのときです。その他、激しく眠くなるときと、頭が冴え寝付けないという、相反する現象に見舞われることがあります。

また、聴覚学習は時間に束縛されるため、内容の把握が困難で反復が難しいという問題がありますが、この2つを解決してくれるのもメリットに加えて良いかもしれません。加えて、音声に意識を向けることで培われる集中力は、思考や作業など物事への取り組みに要するものと同質なので、おそらくは汎用可能です。

一般的な人の脳の使用率は3〜4%とかつていわれていました。そのうち1%になり、研究の進んだ今では1%未満と、脳の未知なる可能性ばかりが増えていきます。そのため、高速音声による能力開発で「頭が良く」なっているのかというと、良くわからないという意味で、実現されているのかもしれません。

ところで、凡人を凡人たらしめているのは、天才的なひらめきと経験的なノウハウの欠如です。たとえば、1から100までの数字の足し算を、馬鹿正直に計算するのと、数学者のガウスよろしく101×50と発見するのとは質的に異なります。いかに脳の機能が高くても、使い方を間違っていては意味がない。

「それなら、脳の使い方を学べばいいんじゃない?」と容易に想像がつくかと思います。確かに、高速音声を活かすも殺すも、音声教材にかかっているのですが、これがまた実に厄介です。このことについて以下に触れたいと思います。


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